【正義のヒーロー、文芸部】

◇WEB小説レビュー
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どうも、こんばんは。

サルベージ船の船長(笑)流庵です(。-∀-)

数あるWEB小説の中に埋もれてしまっている良作をサルベージして

目次を作成するという名目でTwitterにて作品を募集し

船長が良作と判断したものを紹介していく、ブログでございます。

ということで、第8回ピックアップ行ってみよーそろー!

kakuyomu.jp

正義のヒーローが好きだった。

今は、正義のヒーローなんて大嫌いだ。

反吐が出るほど、大っ嫌いだ。

今年から大学生になる赤尾雄一が通う大学では「学生は皆部活に参加することを強制する」などという馬鹿げた校則があった。
「楽そうだから」と選んで訪れた文芸部だったが、そこは世間一般で言うところの「文芸部」とは少し、いやかなり、むしろ完全に違うものだった。

*1

まず、私が良作認定するにあたって、念頭に置いているのは「文章力」です。

WEB小説においては、あくまで書籍化作家さんが書いている確率より

素人や趣味作家さんが書いている確率が高いわけですから、

これがないといけないというわけではないですが、なにより読みやすく、

物語が頭に流れ込んでくる最低限の文章力がなければ、まず続きを読む気になりません。

その点で、今回紹介する「正義のヒーロー、文芸部」は、実に質が高いと感じました。

登場人物の、特に主人公の精神の動きや情景を、くどくなく、飽きず、けれどしっかり引き付ける描写で、綿密に描かれています。

何といえばいいのかわかりませんが、すごく心理描写がうまいんです。

主人公の気持ちが理解しやすいというより、主人公の気持ちになれるくらい、引き込む力がある文章。のめり込んでしまいました。

バランス感覚の良さゆえだとは思いますが、冒頭から話がひと段落する3話までノンストップで読んでしまいました。

ライトノベル的な軽快さもあるのに、決して軽すぎない。

非常にバランスが取れている筆致の作品だと思います。

私自身、わりと重めの文章を書くタイプなので、重めの精神描写を重くなりすぎず、軽くなりすぎず、かつ飽きさせない緩急の描写力には脱帽する以外ありませんでした。

すべての面で高いバランス感覚で書かれているこの作品の描写力は、読者としてはもちろん、創作者としても非常に気持ちいい。

また、勢いと深みのあるキャラクター性も実に魅力的で、年老いれば自然と消えていくだろうが、若さゆえに消えきらずに心に残っている“しこり”のような感情を始めとした、希望、絶望、悲嘆、衝動、自己肯定、自己否定などなど、

様々な感情をもつ人間味あふれる登場人物はすべて魅力的で、前後関係の構成、事象などの上手さも相まって、実に深く軽やかに描き出しています。

人の心というのは我々も人間である以上、誰しも持っているもので、こういった人物の内面を描いている小説においては、「世界観」そのものだと思うのですが、その世界観の描き方がうまいんです。

詳しくはネタバレになってしまうので割愛しますが、登場人物の精神や思考の対比、感情の移り変わり、伏線、会話、総じて高いレベルで完成しています。

他者から受ける刺激と、刺激されたことによってあふれ出る感情の強さ。

主人公すら思わぬ形で動き出してしまう衝動。

もうね、読みながら書籍化しろよと、思わずつぶやきました。

出たら買いますね、間違いなく。

他作品をディスるような真似はあまりしたくありませんが、

正直申し上げて、下手に書籍化された作品よりよくできています。

というか、これ書籍化されるだろ。されてくれ!!

子供心を忘れた大人にも、いまだ子供心を忘れず、突っ走ってる若者にも、

ぜひ読んでいただきたい。

とくに、おっさんの枯れた心に火を灯してくれること請け合いです!

正義のヒーロー、文芸部 は決して埋もれていい作品ではない!!

ということで、広大なカクヨムの海よりサルベージ完了!

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